真夏の牝馬決戦「第57回クイーンS」の木曜追いが13日、札幌競馬場で行われ、スペルバインドが横山典弘騎手(41)を背に軽快なフットワークを披露して態勢を整えた。馬群にひるまない勇敢さが持ち味。作戦自在の鞍上に導かれ、格上挑戦で初重賞を獲りにいく。
派手なアクションはなくても、出来の良さはしっかりと伝わった。ハロー(馬場整備)明けを単走でスタートしたスペルバインド。序盤はゆっくりと進んだが3角付近からグッとスピードを上げた。直線。横山典の手は動かないが躍動感たっぷりの四肢の動き。もっと走りたいという気持ちを十分に高めてフィニッシュした。ラスト13秒5という時計以上に、スピードを感じさせる走りだった。
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札幌が合いそうなのも買い材料。07年のデビュー戦(3着)ではレインボーペガサス(後にきさらぎ賞優勝)に先着した。正月に新春S(1600万)を勝った時が後方からのイン強襲。前走も敗れたとはいえインから攻めていった。狭いスペースを怖がらず、果敢に突くことができる勇敢さは、小回りの札幌芝で大きな武器となる。今回コンビを組む横山典もイン強襲は大得意。格上挑戦でもコースロスなく乗れれば、互角に戦える可能性は十分。
「京都牝馬S(6着)でも大きく負けていないし、素質的には通用していい。チャンスはあるはず」。影山助手は力強く締めくくった。